産み分けの基礎知識

Q産み分けをしたいのですが、だれに相談したらいいでしょうか。
A「産み分け情報局」(https://www.umiwake.jp/)というサイトがもっとも詳しいです。「産み分けネット」は、産み分けの第一人者、杉山力一
先生のノウハウが紹介されています。産み分けに必要な、ゼリーやリンカルなどの通信販売もあります。産み分け指導をおこなうクリニックのリストもあるので、ご参照ください。

 

 

 

 

 

 

Q100パーセント成功する産み分けはありますか。
A産み分けに100パーセントの成功はありません。セックスのタイミング、方法、体位、ゼリー、男の子の場合はリンカル服用という条件を満たすと、産み分けの成功率はかなり高くなります。とはいえ、産み分けには、100パーセントという方法はありません。前述しましたが、男の子を希望した人で約80~90パーセント、女の子を希望した人で約70~80パーセントというデータがあります。産み分けを指導するクリニックに通い、排卵日の特定をおこなうなど、専門的なサポートを受けるなら、産み分けの確率は、さらに少し上がることが期待できます。

 

Q男の子が生まれやすい、女の子が生まれやすい体質ってありますか。
Aある程度はあるようです。赤ちゃんの性別を決定するのは、男性の精子です。男性には、体質的に、X精子が多めの人もいれば、Y精子が多めの人もいますし、その比率は、ストレスや環境、セックスの頻度などによって、変わってきます。ただ、女性にも個人差があり、X精子、Y精子のどちらが受精しやすくなるかを決める腟の酸性度は、人によって違います。ふだんから、腟内の酸性度が高めの人、低めの人もいます。また、一度のオルガスムスで、腟内がアルカリ性アルカリ性に傾く人もいれば、そこまで大きく変わらない人もいます。ですから、ある程度、男の子が生まれやすい体質、女の子が生まれやすい体質というものは、あるかもしれません。また、性生活のパターンによっては、男の子が生まれやすいケース、女の子が生まれやすいケースも、あるでしょう。妊娠のしくみは、まだわかっていないことが多く、産み分けに100パーセントはありません。それでも、トライすることによって、希望する性の赤ちゃんが生まれる確率を高めることはできるでしょう。

 

Q男系家族、女系家族というものはありますか。
A医学的に解明されていませんが、そのような家系は存在するようです。自然の出産では、基本的に、男の子105、女の子100の比率で生まれます。男の子のほうが少し多いのは、男の子のほうが病弱で、早く死ぬ子が多いからです。男の子がやや多く生まれることで、のちに男女の人口比がほぼ1対1になるように、自然の摂理が働いているのです。とはいえ、このような傾向は、全体的に見たときにいえることで、ひとつの家系だけで考えると、女の子または男の子ばかり生まれるという、性別が偏りがちな家系も、確かにあるようです。有名なケースでは、アメリカで、256年にわたって男の子ばかり生まれつづけたという報告があります。男系家族、女系家族が存在する理由は、医学的には解明されていません。とはいえ、どちらかの性別が生まれやすい家系でも、産み分けにトライするなら、希望する性の赤ちゃんが生まれる確率を高めることはできるでしょう。


Q年齢が上がると、産み分けは難しくなるでしょう。
A産み分けの成功率は、年齢は関係ありません。ただ、年齢が上がると、妊娠じたいしにくくなります。赤ちゃんの性別は、精子の性染色体によって決まり、ご両親の年齢によって、どちらかの性の赤ちゃんが生まれやすくなるということはありません。ただ、お母さんの年齢が上がると、妊娠しにくくなる傾向はあります。すでに述べているように、卵巣の中にある原始卵胞は、一生、入れ替わりません。原始卵胞は、時間とともにどんどん減っていきます。原始卵胞が残り2000になると排卵は終わり、妊娠の可能性はなくなります。では、排卵しているから妊娠できるかというと、難しいケースもあります。現代人の生活には、たくさんの化学物質があふれていて、それらが体内に入ると、卵巣の中の原始卵胞が傷つくことがあります。たとえば、本来40万個ある卵子が傷ついて20万個に減ったとすると、早く閉経する可能性が出てきます。また、ストレスでも活性酸素がたくさんつくられ、卵子を傷つけてしまうことがあります。「もう少し新婚を楽しんでから」「もう少し仕事をしてから」と、妊娠を先延ばしにしていて、いよいよ赤ちゃんがほしくなったときには、妊娠しづらくなっている可能性もあります。産み分け以前の問題ですが、赤ちゃんがほしいかたはなるべく健康的な暮らしをして、卵子を傷めないように気を配ることがたいせつです。

 

Q夫が高齢です。産み分けできるでしょうか。
精子の機能は加齢とともに低下するので、女の子を産み分けたい場合は、少し難しいかもしれません。年齢が高くなると、妊娠の条件が厳しくなるのは、女性だけでなく男性も同じです。受胎のしくみについては、わからないことが多くあります。かつては、男性の年齢と生殖能力には、それほど大きな関連はないだろう、と考えられていました。ただし、現在では、男性も加齢とともに睾丸の機能が低下するので、つくられる精子の質が下がり、精子の数が減ることが指摘されています。また、男性の場合、加齢とともに性欲も弱くなり、睾丸の中に精子がたまる期間が長くなる傾向があります。このとき、あとから補充される精子はY精子が多いので、結果的に、Y精子の割合が増えていきます。その意味では、精子の割合を考えると、女の子の産み分けは、少し難しくなるかもしれません。

 

Q食生活によって、産み分けすることはできますか。
A医学的な確証はありません。偏った食事をするより、健康的な食生活を送るようにしましょう。「女の子を産むには酸性の食べもの、男の子を産むにはアルカリ性の食べものを摂る」という説もあります。これは、腟内のpH値をととのえるという発想のようです。ただし、食べものによって体液や血液が酸性やアルカリ性に変わる現象は、医学的には認められていません。実際には、食生活だけで、腟のpH値に影響を与えるのは、なかなか難しいのではないかと思われます。なお、精子に作用するという点から、産み分けに有効とされる食べものもあります。たとえば、コーヒーに含まれるカフェインは、精子の動きを活発にするので、「男の子がほしいときは、セックスの前に男性がコーヒーを飲むといい」という説もあります。確かに、カフェインは精子の動きに影響を与えますが、Y精子だけを活発にするわけではありません。ですから、理論上は、カフェインが産み分けに大きな違いをもたらすとは、考えにくいといえるでしょう。もちろん、食生活がなんらかの理由で、産み分けに影響を及ぼしている可能性は、ゼロではありません。ただし、食事は一人ひとり毎日違いますし、統計もとりにくいため、食生活と産み分けの関連を解明するのは、とても難しいのです。現状で、産み分けに効果があるといわれる食事療法は、ただひとつ、リンカルだけです。リンカルは、栄養補助食品として毎日摂取することによって、男の子が生まれる確率を上げることができます。ただし、100パーセント確実というわけではありません。妊娠を希望するかたにお伝えしたいのは、産み分けを意識して偏った食生活をするより、健康的な食生活を送っていただきたい、ということです。生殖機能を高めるとされる栄養素には、ビタミンEがあります。ビタミンEには血行を促進する作用もあり、あり、冷え性の解消にも効果的です。ビタミンEを多く含む食材には、ナッツ、すじこ、うなぎ、ホウレンソウなどが、あげられます。また、亜鉛は、男性ホルモンの合成をうながし、精子をつくる能力を高めます。亜鉛が不足すると、勃起不全を起こすこともあります。亜鉛を多く含む食材には、牡蠣、うなぎ、牛肉(もも肉)、レバー(豚、鶏)、大豆などがあります。


Q海外では、人工授精によってほぼ確実な産み分けができるのに、なぜ日本では禁止されているのです
A倫理的な問題がクリアされていないからです。人工授精によって受精卵をつくり、遺伝子を調べて性別を確認してから着床させる、という方法は、技術的には可能です。遺伝子診断は性別だけでなく、受精卵の染色体異常を、着床前にほぼ確実に知ることができます。法的な見地からいうと、受精卵の選別そのものについて、日本で違法とする根拠はありません。しかし、受精卵を人為的に選別することは、優生思想につながります。優生思想をよしとするかどうか、日本社会では、いまだ倫理的な考察が深まっていません。そのため、受精卵の遺伝子診断については、日本産科婦人科学会が、望ましくないとの見解を表明しています。
産み分けの安全性

 


Q産み分けしないほうがよい場合もありますか。
A産み分けをすると、妊娠そのものの確率が下がります。妊娠しづらい人、妊娠の経験がない人は、その点をよく考えたほうがいいでしょう。産み分けは、赤ちゃんが授かるという前提でトライされるものですが、そもそも、必ずしも妊娠できるとはとはかぎりません。産み分けのためのセックスには、希望しない性の精子が受精しないよう、さまざまな制限がかかりますから、妊娠のチャンスが減ってしまいます。排卵が順調でも、産み分けによって妊娠するまで、何年もかかる人もいます。産み分けにこだわるうちに、出産のタイミングを逃してしまうリスクもあります。「どうしてもどちらかの性の子が必要で、別の性の赤ちゃんはいらない」というケースでないかぎり、高齢の人や早く赤ちゃんがほしい人は、その点をよく理解したほうがいいでしょう。また、はじめての妊娠の人も、産み分けにこだわらないほうがいいこともあります。というのも、産み分け中のかたが妊娠しない場合、それは不妊が原因なのか、産み分けのため妊娠の確率が減っているだけなのか、はっきりわからないからです。不妊には、自覚症状がありません。ほんとうは治療が必要な状態だったのに、産み分けにトライするうち時間がたち、治療に踏みきるのが遅れてしまうこともあります。なお、「産み分けしないほうがいい」というより、「産み分けは難しい」のが、排卵リズムが一定でない人です。基礎体温が不規則な人は、生活習慣を見直し、それでも改善が見られないようなら、クリニックを受診することを考えてください。また、出産から間がなく、排卵リズムが乱れている人も、産み分けには少し日数を置いたほうがいいでしょう。

 


Q産み分けによって、子どもや母体の健康を損ねる可能性はありますか。
Aクリニックで指導される産み分けは、安全が確認された方法です。この本で解説した、セックスのタイミング、体位、ゼリー、リンカル服用などは、母子に害を及ぼさず、安全と考えられています。産み分けに効果があるパーコール法(X精子、Y精子を振り分ける)も、日本産科婦人科学会によって、安全性が確認されています。

 

Q産み分けすると、生まれた赤ちゃんには、どんな影響がありますか。
A赤ちゃんには、特に影響を及ぼさないと思われます。ただし、妊娠後、お母さんが性別にこだわりすぎて、不安を感じつづける状態は好ましくありません。いまクリニックで推奨されている産み分けは、すでに安全性が確認されている方法なので、赤ちゃんに悪い影響を及ぼすことはないでしょう。とはいえ、産み分けそのものというより、お母さんが妊娠中に「男の子(女の子)でなかったら、どうしよう」といったふうに、強い不安やストレスを感じつづけると、ホルモン分泌になんらかの変動が生じる可能性可能性はあります。ホルモン分泌は、おなかの赤ちゃんの脳の発達に作用するので、生まれたあとの気質や行動に影響が及ぶおそれは、ゼロではありません。動物実験では、24時間縛りつけるなど、母体に強いストレスをかけると、生まれた仔の神経的な発育や行動に、異常が見られることがわかっています。人間では、そこまでのストレスがかかることはまずないので、同じようには語ることはできません。しかし、体を縛る鎖はなくても、こだわりや不安、つまり「心を縛る鎖」が、慢性的なストレスをもたらす可能性はあります。赤ちゃんを授かったら、いのちの流れを信頼しましょう。ありのままの赤ちゃんを受け入れて、ゆったりした気持ちで過ごすことが、もっともたいせつです。

 


Q遺伝病の場合、産み分けしたほうがいいでしょうか。
Aご自身の人生観でお考えください。血友病色覚異常筋ジストロフィーなど、ある種の遺伝病は、性染色体の遺伝子が原因で発症します。そのため、子どもにその病気が発症しないために、病気にかかりやすい性を避けるべく、産み分けを希望するケースもあります。ご自分に遺伝病の素因があるか気になるかたは、遺伝子検査を受けるという方法もあります。ただし、検査する前には、専門家による遺伝カウンセリングを受けて、じゅうぶんな知識をもつことがたいせつです。ちなみに、遺伝病を避けることを目的として産み分けをおこない、希望の性の子を授かったとしても、遺伝病の素因(本人には発現しない、劣性遺伝子)は、そのお子さんに引き継がれることがあります。すると、その病気は、お子さんがのちに結婚したとき、とき、お孫さんに発症するかもしれません。お子さんには、いずれその事実を伝えていく必要があるでしょう。遺伝というテーマは、とても難しい問題です。染色体は人によって異なり、すべて完全に「正常」な染色体をもつ人はいません。遺伝病というと、先天性の疾患をイメージする人が多いのですが、後年に発症する遺伝病もあります。自分は健康だと思いこんでいる人に、じつは気づいていないだけで、遺伝病があるかもしれません。ひとりの個人として考えると、遺伝子がエラーを起こしうることは、病気や障がいなどのトラブルを引き起こす引き起こす原因でもあります。しかし、人類は、多様な遺伝子をもつことによって、環境の変化を生きのび、種としてのいのちをつないできたのです。それぞれの違いを「異常」と見なすかどうかは、ただ本人の世界観にかかっています。障がいがあっても、「障がいは不便だけど、不幸ではない」と考えるかたもいます。「病気はいけないもの」と考えると、病気の因子は排除しようという発想になりますが、病気をもっていても、幸せに生きるかたもいるでしょう。遺伝病と産み分けをどう考えるかは、ご自身の人生観人生観を見つめ直すチャンスでもあります。
産み分けと家族

 

Qパートナーが産み分けに賛成しないのですが、どうしたらいいでしょうか。
Aご夫婦の話し合いが基本です。産み分けは、切実に希望しているケースもあれば、ただなんとなく、というケースもあるでしょう。あなたはなぜ産み分けをしたいのか、自分の心によくよく聞いて、理由をじっくり考えてみてください。また、パートナーがなぜ産み分けに反対するのか、相手の気持ちになって、よく考えてください。おとなは、言葉をしゃべらない赤ちゃんと違って、お互いに会話することができます。これを機会に、気持ちを語り合う練習をしてみましょう。そして、もしできるなら、生まれてくる赤ちゃんが、ご夫婦の話し合いをどう受けとめるか、想像してみてください。赤ちゃんは、産み分けによってこの世にやって来ることに、賛成してくれるでしょうか。きっと、ご夫婦それぞれに異なる、さまざまな答えが見つかることでしょう。


Q夫に知られずに産み分けできる方法はありますか。あるいは、夫の負担が少ない産み分け方法があれば、知りたいです。
Aタイミングの調整なら、ある程度コントロールできるでしょう。男の子を希望するなら、リンカルを服用する方法もあります。一般に、産み分けのご相談は女性のほうが積極的で、男性からの要望というケースは、それほど多くありませません。子育ての主役は、たいてい母親なので、どんな赤ちゃんがほしいかについては、女性のほうが切実なのかもしれません。産み分けにおいて、男性の禁欲や、ゼリーの使用については、男性の同意がないと難しいですが、セックスのタイミングの調整なら、女性ひとりでも、ある程度コントロールできるでしょう。なお、男の子を希望するなら、2か月以上前からリンカルを毎日服用するという方法もあります。これは、女性ひとりでおこなうことができます。男性が産み分けに消極的なとき、女性は不満かもしれませんが、その状況には、よい点もあります。というのは、もし望んでいなかった性の子が生まれても、夫婦そろって落ち込むおそれがないからです。そもそも、夫婦で協力して産み分けしたところで、必ずしも希望がかなうわけではありません。違う性の子を授かったとき、男性がその赤ちゃんを大らかに受け入れるなら、女性が気持ちを切り替えるきっかけになるでしょう。

 

Q産み分けによって、夫婦仲が悪くなる可能性はありますか。
A性の不一致を感じるようになるケースは、あるかもしれません。産み分けする場合、セックスにはさまざまな制限がかかります。ただ、セックスは本来、内なるリズムに則っておこなわれるもので、夫婦が一体感の中で宇宙とつながるような営みではないでしょうか。「赤ちゃんがほしい」という目的のもと、計画的におこなっていると、そのような一体感は体験しにくいのでは、と思います。特に、ご夫婦のどちらかが産み分けに消極的なとき、「とき、「今日は排卵日だから」「いまは禁欲のタイミングだから」と、頭でコントロールしていくと、プレッシャーが強くなり、気持ちの高揚がそがれてしまうでしょう。そのような日々が長く続き、うんざりしてしまったというお話は、不妊治療中のかたからお聞きすることがあります。

 

Q私は産み分けしたくないのですが、夫や夫の家族に男の子を希望されていて、プレッシャーを感じています。
Aできるだけ気にしないようにしてください。「跡継ぎがほしい」というご相談は、かつてと比べれば激減していますが、いまでも旧家に嫁いだかたから、そのような悩みを伺うことはあります。シンプルな答えですが、「気にしないこと」がいちばんです。子育てするとだれもが実感するものですが、子どもは親の思うとおりには育たないものです。日々の暮らしの中では、想像を超えた出来事も起きます。子どもも状況もそれぞれ異なり、子育てに絶対の正解はありません。問題にぶつかり迷ったときは、「自分にとって、ほんとうにたいせつなことは何か」という原点に立ち返る必要があります。周囲の言うことに振り回されず、肚を据えて、子どもと向き合わなくてはなりません。プレッシャーを感じたら、「人の言うことをいちいち気にしない」練習だと思って、乗りきってください。なお、お産のあとに、お義母さんから、「『男の子だといいね』と言ったのは、ほんの軽い気持ちだったの。あなたがそんなに気にするなんて思わなかった。ごめんなさいね」と言われて、拍子抜けした、というかたもいます。もしかしたら、周囲の人は、それほど深い意味で言っているのではないかもしれません。その可能性も、少し考えてみてもいいかもしれません。産み分けと「引き寄せ」「引き寄せの法則」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。人は、自分の注目している方向に、進んでいくものです。楽しいことに気持ちを向けていると、楽しみに気づきやすくなりますし、不快なことばかり気にしていると、不快な出来事が目につくようになります。食事の準備をするとき、メニューを決めずに買いものをすることはないように、人生においても、自分が向かおうとしているゴールを設定することがたいせつです。5年後、10年後の自分のすがたを思い浮かべたとき、どんな自分でありたいでしょうか。どんな家族と、どのように暮らしていたいでしょうか。希望する状況を、なるべく具体的に思い描いていると、イメージが潜在意識にすりこまれて、未来にそんな現実を引き寄せやすくなります。もっとも、生まれる前に、いま望んでいる性とは違う性の子と「親子になろうね」と約束している場合は、思い描いたイメージが、そのまま実現するわけではありません。それでもケースバイケースで、交渉の余地がある交渉の余地があるときは、はじめの予定と違う性で生まれることを、お子さんが受け入れてくれるかもしれません。雲の上で生まれるのを待っている子どもに、電話をかけるような気持ちで、望む未来をイメージしてみましょう。執着やストレスにならない程度に、楽しんでみてください。産み分けと心のこと

 

Q女の子がほしいのですが、産み分けに踏みきることには、ためらいもあります。
A産み分けしてもいいか、赤ちゃんに聞いてみてください。女の子がいいというのは親の都合ですが、子どもには子どもの、自分がどんな人生を歩みたいかという、都合があります。生まれる前の赤ちゃんを思い浮かべて、語りかけてみましょう。赤ちゃんのおへそと自分のおへそに、透明なへその緒をパチンとつなぐイメージを浮かべて、ニュートラルな気持ちで、「女の子だといいなって思うのだけど、産み分けを試してもいい?」と、質問するのはいかがでしょうか。心を静めて、瞑想していると、イメージや言葉で、ふっと答えが返ってきます。はっきりした確信があれば、そのまま受け入れてもいいし、もし気になる点があるなら、「自分の願望が混じっているかな」と、理性的に検証してもいいでしょう。人生の選択には、客観的に正しい答えがなく、自分で決めていかなくてはならないことがあります。そんなとき、自分の心に問いかけ、いのちの流れとコミュニケーションをして、直感を磨いていくことは、とてもたいせつです。

 

Qどうしても男の子がほしい私は、変でしょうか。
Aわきあがるすべての思いは、自然なものです。素直に感じるといいでしょう。どんな思いも、自然に浮かんでくるものを、変だとか悪いとか決めつける必要はありません。願望がかなうかどうかは、また別のことですが、思いはあえて封じこめず、素直に感じてみましょう。たいせつなのは、どうしてそう感じるのか、自分に問いかけて、じっくり考えてみることです。どうしてもどちらかの性の子がほしいというときは、何か理由があるのでしょう。「母は兄ばかりかわいがり、私のことは知らんぷりでした。赤ちゃんが女の子なら、かわいがる自信がありません」というかたもいました。自分のこだわりがどこにあるのか。ほんとうはどんな生き方がしたいのか。そのこだわりをもちつづけることが、今後の生き方にプラスになるかどうか。子育てという一大事業を始める前に、心を見つめるチャンスを得たと考えて、自分のこれまでとこれからを、じっくり感じてみてください。


Qおなかの赤ちゃんが希望する性でない場合は、人工流産したいのですが。
A日本では法律上、認められていません。人工流産(中絶)が認められるのは、身体的・経済的理由により妊娠の継続が難しい場合か、暴行や脅迫によって妊娠した場合のみです。また、妊娠22週以降は、いかなる理由があっても、中絶できません。なお、妊娠12週から21週の赤ちゃんを手術で外に出すときは、死産届を提出し、火葬をおこないます。胎児の性別は、妊娠21週でもはっきりわかるかどうか、ぎりぎりのところです。性別を理由にした中絶は、おこなうことができません。


高齢出産なので、障がい児が生まれるかもしれないと思うと、妊娠そのものにためらいを感じます。
A人生にはいろいろなリスクがあります。自分の人生を生きましょう。高齢の妊娠はリスクが高いので、ためらわれるお気持ちもわかります。通常の妊婦健診でも、エコー検査で大きな奇形はわかります。また、いくつかの疾病については、出生前診断を受けることもできます。もっとも、すべての障がいがわかるわけではありません。誕生のときは健康でも、発育の途中で病気や障がいがわかることもあります。人はつい、昨日と同じ明日が続くように思いがちです。けれど、ほんとうは、私たちは明日の自分のいのちもわからないところに生きています。健康な子が生まれても、のちに大病を発症するかもしれません。事故に巻きこまれて、後遺症が残るかもしれません。将来のことは、だれにもわからないのです。お産は、そんな人生のありのままのすがたを目にする、たいせつな節目です。お産は、安全を保証されたテーマパークのアトラクションではありません。医療が整備された現代の日本でも、年間50人くらいのかたが、お産で亡くなっています。どんなお産になり、どんな赤ちゃんが生まれるか、すべてをコントロールすることはできません。人生をどう選びとっていくか、最終的には、本人の覚悟しだいです。たとえば、飛行機には、墜落のリスクがゼロではありませんが、あなたは飛行機に乗るでしょうか、それともやめるでしょうか。赤ちゃんは授かるかもしれない、授からないかもしれしれない。生まれる赤ちゃんには、障がいがあるかもしれない、ないかもしれない。航空事故が怖い人が空の旅を避けるように、障がい児が生まれることを恐れるなら、赤ちゃんを生まないという生きかたもあります。

 

Q希望の性の赤ちゃんでなかったとき、どんなふうに気持ちを切り替えればいいですか。
A立場を変えて、考えてみましょう。親は子どもを一方的に選ぶ立場と考えがちですが、発想の転換をしてみましょう。お子さんに、「希望する性格のお母さんじゃなかったけれど、どうしたら気持ちを切り替えられるかな」と言われたら、どう感じますか。「想像していた性格じゃなかったけど、お母さんが大好きだよ。いまのお母さんが、大好きだよ」と言われるほうが、うれしいのではないでしょうか。私は講演会で、こんなふうにお話しすることがあります。「女の子を希望していたかたに、男の子が生まれたとしましょう。その子が大きくなって、性別の違和を感じる感じるようになり、やがて性転換手術をして、実家に戻ってきたらどうでしょうか。想像してください」わが子が自分らしく生きることを、こころよく応援したい、と思うかもしれません。ただ、そのとき、かつてを振り返って「私は女の子がほしかった。やっと願いがかなった」と、喜ぶでしょうか。もしそうでないなら、「女の子がほしい」という気持ちは、それほど深刻なものではなかったのでは、と思います。この世に生じるあらゆることには、すべて意味があります。なぜその子があなたのもとにやって来たのか、よく考えてください。赤ちゃんを見つめ、赤ちゃんに問いかけ、インスピレーションで会話してみましょう。子どもたちに「生まれる前のこと」を聞いていると、「お母さんが子どものころから、お母さんのところに生まれたくて、待っていた」というお子さんもいます。そして、その子がすでに、自分の性を決めているケースもあります。お子さんにはお子さんの、その性として生まれる、理由があります。そのお母さんにも、その子の親となる、理由があります。もしかしたら、親が望んでいたのと違う性の子としてなぜその子があなたのもとにやって来たのか、よく考えてください。赤ちゃんを見つめ、赤ちゃんに問いかけ、インスピレーションで会話してみましょう。子どもたちに「生まれる前のこと」を聞いていると、「お母さんが子どものころから、お母さんのところに生まれたくて、待っていた」というお子さんもいます。そして、その子がすでに、自分の性を決めているケースもあります。お子さんにはお子さんの、その性として生まれる、理由があります。そのお母さんにも、その子の親となる、理由があります。もしかしたら、親が望んでいたのと違う性の子として生まれることじたいに、意味があるのかもしれません。大きないのちの流れを信頼し、お子さんを授かったことじたいを、どうか喜んでいただきたいと思います。

 

Q希望する性の子でないとき、正直なところ、私はがっかりしてしまうと思います。赤ちゃんに対してどんなフォローをしたらいいですか。
A思いどおりでないからこそすばらしく、あなたにぴったりの赤ちゃんです。そう理解して、赤ちゃんと向き合っていきましょう。望んだ性の子でないとき、ちょっぴり残念に思うのは、自然な心の動きです。ただ、「どんなフォローをしたらいいか」と、赤ちゃんの気持ちを考えることは、とてもたいせつです。子宮や卵巣の病気をした女性とお話しすると、「私の親は、ほんとうは男の子を望んでいました。『あなたが生まれてがっかりした』と言われました」と語られることがあります。赤ちゃんが周りのおとなの気持ちを感じとり、それが心身の発育になんらかのストレスを及ぼすことは、じゅうぶんに考えられます。
その他


Q産み分けをすると、男女の人口比が変わってしまうのではないでしょうか。
A日本の状況では、極端に変わることは考えにくいです。出生における男女比は、人類が子孫を残す最良の比率として、自然の摂理が長期間かけてつくりあげてきたものです。男の子は女の子より体が弱く、亡くなる子が多いため、男の子105、女の子100の比率で、ほんの少し男の子が多く生まれ、後年、男女比がほぼ1対1になるように調整されています。中国のように、ひとりっ子政策をとっていて、しかも男の子が熱烈に望まれている社会では、産み分けすると男の子の比率が高まると思われます。ただし、現代の日本では、産み分けにトライする人にアンケートしても、男の子と女の子のどちらを希望するか、大きな偏りはありません。全体的に見ると、いまの日本で、産み分けが人口比に影響を及ぼすことは、まずないと考えられます。

 

Q産み分けは、生命倫理的に問題ないでしょうか。
A生殖医療にどこまで人為的に介入するかによって、倫理的な問題が生じることもあります。この本で紹介した、セックスのタイミング、体位、ゼリー、リンカル服用といった、自分でコントロールできる範囲なら、倫理的な問題はないと私は思います。ただし、受精と着床に、どこまで人為的な介入をするかによって、倫理的な問題が生じる可能性はあります。
に行った公園に、はじめて連れていかれたとき)「結婚式のとき、手をつないでいるのが見えた。拍手がいっぱい聞こえた。おへそから見えた」(5歳、男の子。結婚式は妊娠7か月のとき)子どもたちの「記憶」には、現代の医学では説明がつかない内容もあります。けれど、たくさんの子どもたちの話には、大きな共通点があります。それは、おなかの赤ちゃんには、すでに感情や意思があるということです。おなかの赤ちゃんに「この世にようこそ」「あなたが大好きよ」と語りかけてください。それは、赤ちゃんに贈るはじめてのすてきなプレゼントになるでしょう。赤ちゃんに語りかけ、親子のきずなを深めておくと、生まれたあとのコミュニケーションも、きっとスムーズになるでしょう。余談ですが、本書の本文をデザインしてくださったデザイナーさんの娘さんは、小学校2年生のとき、とつぜん、「生まれる前に、おかあさんを何人かお試ししたの。ママがいちばん絵が上手だったから、ママにしたの」と話したそうです。デザイナーさんは、娘さんが冗談を言っていると思っていたそうですが、これはまさに生まれる前の記憶です。実際、娘さんは、絵を描くのがとても好きで、絵のコンクールに入賞するほどの腕前だそうです。

 

産み分けの基礎知識

Q産み分けをしたいのですが、だれに相談したらいいでしょうか。
産み分け情報局」(https://www.umiwake.jp/というサイトがもっとも詳しいです。「産み分けネット」は、産み分けの第一人者、杉山力一
先生のノウハウが紹介されています。産み分けに必要な、ゼリーやリンカルなどの通信販売もあります。産み分け指導をおこなうクリニックのリストもあるので、ご参照ください。


Q100パーセント成功する産み分けはありますか。
A産み分けに100パーセントの成功はありません。セックスのタイミング、方法、体位、ゼリー、男の子の場合はリンカル服用という条件を満たすと、産み分けの成功率はかなり高くなります。とはいえ、産み分けには、100パーセントという方法はありません。前述しましたが、男の子を希望した人で約80~90パーセント、女の子を希望した人で約70~80パーセントというデータがあります。産み分けを指導するクリニックに通い、排卵日の特定をおこなうなど、専門的なサポートを受けるなら、産み分けの確率は、さらに少し上がることが期待できます。

 

Q男の子が生まれやすい、女の子が生まれやすい体質ってありますか。
Aある程度はあるようです。赤ちゃんの性別を決定するのは、男性の精子です。男性には、体質的に、X精子が多めの人もいれば、Y精子が多めの人もいますし、その比率は、ストレスや環境、セックスの頻度などによって、変わってきます。ただ、女性にも個人差があり、X精子、Y精子のどちらが受精しやすくなるかを決める腟の酸性度は、人によって違います。ふだんから、腟内の酸性度が高めの人、低めの人もいます。また、一度のオルガスムスで、腟内がアルカリ性アルカリ性に傾く人もいれば、そこまで大きく変わらない人もいます。ですから、ある程度、男の子が生まれやすい体質、女の子が生まれやすい体質というものは、あるかもしれません。また、性生活のパターンによっては、男の子が生まれやすいケース、女の子が生まれやすいケースも、あるでしょう。妊娠のしくみは、まだわかっていないことが多く、産み分けに100パーセントはありません。それでも、トライすることによって、希望する性の赤ちゃんが生まれる確率を高めることはできるでしょう。

 

Q男系家族、女系家族というものはありますか。
A医学的に解明されていませんが、そのような家系は存在するようです。自然の出産では、基本的に、男の子105、女の子100の比率で生まれます。男の子のほうが少し多いのは、男の子のほうが病弱で、早く死ぬ子が多いからです。男の子がやや多く生まれることで、のちに男女の人口比がほぼ1対1になるように、自然の摂理が働いているのです。とはいえ、このような傾向は、全体的に見たときにいえることで、ひとつの家系だけで考えると、女の子または男の子ばかり生まれるという、性別が偏りがちな家系も、確かにあるようです。有名なケースでは、アメリカで、256年にわたって男の子ばかり生まれつづけたという報告があります。男系家族、女系家族が存在する理由は、医学的には解明されていません。とはいえ、どちらかの性別が生まれやすい家系でも、産み分けにトライするなら、希望する性の赤ちゃんが生まれる確率を高めることはできるでしょう。

 

Q年齢が上がると、産み分けは難しくなるでしょう。
A産み分けの成功率は、年齢は関係ありません。ただ、年齢が上がると、妊娠じたいしにくくなります。赤ちゃんの性別は、精子の性染色体によって決まり、ご両親の年齢によって、どちらかの性の赤ちゃんが生まれやすくなるということはありません。ただ、お母さんの年齢が上がると、妊娠しにくくなる傾向はあります。すでに述べているように、卵巣の中にある原始卵胞は、一生、入れ替わりません。原始卵胞は、時間とともにどんどん減っていきます。原始卵胞が残り2000になると排卵は終わり、妊娠の可能性はなくなります。では、排卵しているから妊娠できるかというと、難しいケースもあります。現代人の生活には、たくさんの化学物質があふれていて、それらが体内に入ると、卵巣の中の原始卵胞が傷つくことがあります。たとえば、本来40万個ある卵子が傷ついて20万個に減ったとすると、早く閉経する可能性が出てきます。また、ストレスでも活性酸素がたくさんつくられ、卵子を傷つけてしまうことがあります。「もう少し新婚を楽しんでから」「もう少し仕事をしてから」と、妊娠を先延ばしにしていて、いよいよ赤ちゃんがほしくなったときには、妊娠しづらくなっている可能性もあります。産み分け以前の問題ですが、赤ちゃんがほしいかたはなるべく健康的な暮らしをして、卵子を傷めないように気を配ることがたいせつです。


Q夫が高齢です。産み分けできるでしょうか。
精子の機能は加齢とともに低下するので、女の子を産み分けたい場合は、少し難しいかもしれません。年齢が高くなると、妊娠の条件が厳しくなるのは、女性だけでなく男性も同じです。受胎のしくみについては、わからないことが多くあります。かつては、男性の年齢と生殖能力には、それほど大きな関連はないだろう、と考えられていました。ただし、現在では、男性も加齢とともに睾丸の機能が低下するので、つくられる精子の質が下がり、精子の数が減ることが指摘されています。また、男性の場合、加齢とともに性欲も弱くなり、睾丸の中に精子がたまる期間が長くなる傾向があります。このとき、あとから補充される精子はY精子が多いので、結果的に、Y精子の割合が増えていきます。その意味では、精子の割合を考えると、女の子の産み分けは、少し難しくなるかもしれません。

 

Q食生活によって、産み分けすることはできますか。
A医学的な確証はありません。偏った食事をするより、健康的な食生活を送るようにしましょう。「女の子を産むには酸性の食べもの、男の子を産むにはアルカリ性の食べものを摂る」という説もあります。これは、腟内のpH値をととのえるという発想のようです。ただし、食べものによって体液や血液が酸性やアルカリ性に変わる現象は、医学的には認められていません。実際には、食生活だけで、腟のpH値に影響を与えるのは、なかなか難しいのではないかと思われます。なお、精子に作用するという点から、産み分けに有効とされる食べものもあります。たとえば、コーヒーに含まれるカフェインは、精子の動きを活発にするので、「男の子がほしいときは、セックスの前に男性がコーヒーを飲むといい」という説もあります。確かに、カフェインは精子の動きに影響を与えますが、Y精子だけを活発にするわけではありません。ですから、理論上は、カフェインが産み分けに大きな違いをもたらすとは、考えにくいといえるでしょう。もちろん、食生活がなんらかの理由で、産み分けに影響を及ぼしている可能性は、ゼロではありません。ただし、食事は一人ひとり毎日違いますし、統計もとりにくいため、食生活と産み分けの関連を解明するのは、とても難しいのです。現状で、産み分けに効果があるといわれる食事療法は、ただひとつ、リンカルだけです。リンカルは、栄養補助食品として毎日摂取することによって、男の子が生まれる確率を上げることができます。ただし、100パーセント確実というわけではありません。妊娠を希望するかたにお伝えしたいのは、産み分けを意識して偏った食生活をするより、健康的な食生活を送っていただきたい、ということです。生殖機能を高めるとされる栄養素には、ビタミンEがあります。ビタミンEには血行を促進する作用もあり、あり、冷え性の解消にも効果的です。ビタミンEを多く含む食材には、ナッツ、すじこ、うなぎ、ホウレンソウなどが、あげられます。また、亜鉛は、男性ホルモンの合成をうながし、精子をつくる能力を高めます。亜鉛が不足すると、勃起不全を起こすこともあります。亜鉛を多く含む食材には、牡蠣、うなぎ、牛肉(もも肉)、レバー(豚、鶏)、大豆などがあります。


Q海外では、人工授精によってほぼ確実な産み分けができるのに、なぜ日本では禁止されているのです
A倫理的な問題がクリアされていないからです。人工授精によって受精卵をつくり、遺伝子を調べて性別を確認してから着床させる、という方法は、技術的には可能です。遺伝子診断は性別だけでなく、受精卵の染色体異常を、着床前にほぼ確実に知ることができます。法的な見地からいうと、受精卵の選別そのものについて、日本で違法とする根拠はありません。しかし、受精卵を人為的に選別することは、優生思想につながります。優生思想をよしとするかどうか、日本社会では、いまだ倫理的な考察が深まっていません。そのため、受精卵の遺伝子診断については、日本産科婦人科学会が、望ましくないとの見解を表明しています。

 

産み分けの安全性
Q産み分けしないほうがよい場合もありますか。
A産み分けをすると、妊娠そのものの確率が下がります。妊娠しづらい人、妊娠の経験がない人は、その点をよく考えたほうがいいでしょう。産み分けは、赤ちゃんが授かるという前提でトライされるものですが、そもそも、必ずしも妊娠できるとはとはかぎりません。産み分けのためのセックスには、希望しない性の精子が受精しないよう、さまざまな制限がかかりますから、妊娠のチャンスが減ってしまいます。排卵が順調でも、産み分けによって妊娠するまで、何年もかかる人もいます。産み分けにこだわるうちに、出産のタイミングを逃してしまうリスクもあります。「どうしてもどちらかの性の子が必要で、別の性の赤ちゃんはいらない」というケースでないかぎり、高齢の人や早く赤ちゃんがほしい人は、その点をよく理解したほうがいいでしょう。また、はじめての妊娠の人も、産み分けにこだわらないほうがいいこともあります。というのも、産み分け中のかたが妊娠しない場合、それは不妊が原因なのか、産み分けのため妊娠の確率が減っているだけなのか、はっきりわからないからです。不妊には、自覚症状がありません。ほんとうは治療が必要な状態だったのに、産み分けにトライするうち時間がたち、治療に踏みきるのが遅れてしまうこともあります。なお、「産み分けしないほうがいい」というより、「産み分けは難しい」のが、排卵リズムが一定でない人です。基礎体温が不規則な人は、生活習慣を見直し、それでも改善が見られないようなら、クリニックを受診することを考えてください。また、出産から間がなく、排卵リズムが乱れている人も、産み分けには少し日数を置いたほうがいいでしょう。

 

Q産み分けによって、子どもや母体の健康を損ねる可能性はありますか。
Aクリニックで指導される産み分けは、安全が確認された方法です。この本で解説した、セックスのタイミング、体位、ゼリー、リンカル服用などは、母子に害を及ぼさず、安全と考えられています。産み分けに効果があるパーコール法(X精子、Y精子を振り分ける)も、日本産科婦人科学会によって、安全性が確認されています。

 

Q産み分けすると、生まれた赤ちゃんには、どんな影響がありますか。
A赤ちゃんには、特に影響を及ぼさないと思われます。ただし、妊娠後、お母さんが性別にこだわりすぎて、不安を感じつづける状態は好ましくありません。いまクリニックで推奨されている産み分けは、すでに安全性が確認されている方法なので、赤ちゃんに悪い影響を及ぼすことはないでしょう。とはいえ、産み分けそのものというより、お母さんが妊娠中に「男の子(女の子)でなかったら、どうしよう」といったふうに、強い不安やストレスを感じつづけると、ホルモン分泌になんらかの変動が生じる可能性可能性はあります。ホルモン分泌は、おなかの赤ちゃんの脳の発達に作用するので、生まれたあとの気質や行動に影響が及ぶおそれは、ゼロではありません。動物実験では、24時間縛りつけるなど、母体に強いストレスをかけると、生まれた仔の神経的な発育や行動に、異常が見られることがわかっています。人間では、そこまでのストレスがかかることはまずないので、同じようには語ることはできません。しかし、体を縛る鎖はなくても、こだわりや不安、つまり「心を縛る鎖」が、慢性的なストレスをもたらす可能性はあります。赤ちゃんを授かったら、いのちの流れを信頼しましょう。ありのままの赤ちゃんを受け入れて、ゆったりした気持ちで過ごすことが、もっともたいせつです。

 

Q遺伝病の場合、産み分けしたほうがいいでしょうか。
Aご自身の人生観でお考えください。血友病色覚異常筋ジストロフィーなど、ある種の遺伝病は、性染色体の遺伝子が原因で発症します。そのため、子どもにその病気が発症しないために、病気にかかりやすい性を避けるべく、産み分けを希望するケースもあります。ご自分に遺伝病の素因があるか気になるかたは、遺伝子検査を受けるという方法もあります。ただし、検査する前には、専門家による遺伝カウンセリングを受けて、じゅうぶんな知識をもつことがたいせつです。ちなみに、遺伝病を避けることを目的として産み分けをおこない、希望の性の子を授かったとしても、遺伝病の素因(本人には発現しない、劣性遺伝子)は、そのお子さんに引き継がれることがあります。すると、その病気は、お子さんがのちに結婚したとき、とき、お孫さんに発症するかもしれません。お子さんには、いずれその事実を伝えていく必要があるでしょう。遺伝というテーマは、とても難しい問題です。染色体は人によって異なり、すべて完全に「正常」な染色体をもつ人はいません。遺伝病というと、先天性の疾患をイメージする人が多いのですが、後年に発症する遺伝病もあります。自分は健康だと思いこんでいる人に、じつは気づいていないだけで、遺伝病があるかもしれません。ひとりの個人として考えると、遺伝子がエラーを起こしうることは、病気や障がいなどのトラブルを引き起こす引き起こす原因でもあります。しかし、人類は、多様な遺伝子をもつことによって、環境の変化を生きのび、種としてのいのちをつないできたのです。それぞれの違いを「異常」と見なすかどうかは、ただ本人の世界観にかかっています。障がいがあっても、「障がいは不便だけど、不幸ではない」と考えるかたもいます。「病気はいけないもの」と考えると、病気の因子は排除しようという発想になりますが、病気をもっていても、幸せに生きるかたもいるでしょう。遺伝病と産み分けをどう考えるかは、ご自身の人生観人生観を見つめ直すチャンスでもあります。
産み分けと家族


Qパートナーが産み分けに賛成しないのですが、どうしたらいいでしょうか。
Aご夫婦の話し合いが基本です。産み分けは、切実に希望しているケースもあれば、ただなんとなく、というケースもあるでしょう。あなたはなぜ産み分けをしたいのか、自分の心によくよく聞いて、理由をじっくり考えてみてください。また、パートナーがなぜ産み分けに反対するのか、相手の気持ちになって、よく考えてください。おとなは、言葉をしゃべらない赤ちゃんと違って、お互いに会話することができます。これを機会に、気持ちを語り合う練習をしてみましょう。そして、もしできるなら、生まれてくる赤ちゃんが、ご夫婦の話し合いをどう受けとめるか、想像してみてください。赤ちゃんは、産み分けによってこの世にやって来ることに、賛成してくれるでしょうか。きっと、ご夫婦それぞれに異なる、さまざまな答えが見つかることでしょう。

 


Q夫に知られずに産み分けできる方法はありますか。あるいは、夫の負担が少ない産み分け方法があれば、知りたいです。
Aタイミングの調整なら、ある程度コントロールできるでしょう。男の子を希望するなら、リンカルを服用する方法もあります。一般に、産み分けのご相談は女性のほうが積極的で、男性からの要望というケースは、それほど多くありませません。子育ての主役は、たいてい母親なので、どんな赤ちゃんがほしいかについては、女性のほうが切実なのかもしれません。産み分けにおいて、男性の禁欲や、ゼリーの使用については、男性の同意がないと難しいですが、セックスのタイミングの調整なら、女性ひとりでも、ある程度コントロールできるでしょう。なお、男の子を希望するなら、2か月以上前からリンカルを毎日服用するという方法もあります。これは、女性ひとりでおこなうことができます。男性が産み分けに消極的なとき、女性は不満かもしれませんが、その状況には、よい点もあります。というのは、もし望んでいなかった性の子が生まれても、夫婦そろって落ち込むおそれがないからです。そもそも、夫婦で協力して産み分けしたところで、必ずしも希望がかなうわけではありません。違う性の子を授かったとき、男性がその赤ちゃんを大らかに受け入れるなら、女性が気持ちを切り替えるきっかけになるでしょう。

 

Q産み分けによって、夫婦仲が悪くなる可能性はありますか。
A性の不一致を感じるようになるケースは、あるかもしれません。産み分けする場合、セックスにはさまざまな制限がかかります。ただ、セックスは本来、内なるリズムに則っておこなわれるもので、夫婦が一体感の中で宇宙とつながるような営みではないでしょうか。「赤ちゃんがほしい」という目的のもと、計画的におこなっていると、そのような一体感は体験しにくいのでは、と思います。特に、ご夫婦のどちらかが産み分けに消極的なとき、「とき、「今日は排卵日だから」「いまは禁欲のタイミングだから」と、頭でコントロールしていくと、プレッシャーが強くなり、気持ちの高揚がそがれてしまうでしょう。そのような日々が長く続き、うんざりしてしまったというお話は、不妊治療中のかたからお聞きすることがあります。

 

Q私は産み分けしたくないのですが、夫や夫の家族に男の子を希望されていて、プレッシャーを感じています。
Aできるだけ気にしないようにしてください。「跡継ぎがほしい」というご相談は、かつてと比べれば激減していますが、いまでも旧家に嫁いだかたから、そのような悩みを伺うことはあります。シンプルな答えですが、「気にしないこと」がいちばんです。子育てするとだれもが実感するものですが、子どもは親の思うとおりには育たないものです。日々の暮らしの中では、想像を超えた出来事も起きます。子どもも状況もそれぞれ異なり、子育てに絶対の正解はありません。問題にぶつかり迷ったときは、「自分にとって、ほんとうにたいせつなことは何か」という原点に立ち返る必要があります。周囲の言うことに振り回されず、肚を据えて、子どもと向き合わなくてはなりません。プレッシャーを感じたら、「人の言うことをいちいち気にしない」練習だと思って、乗りきってください。なお、お産のあとに、お義母さんから、「『男の子だといいね』と言ったのは、ほんの軽い気持ちだったの。あなたがそんなに気にするなんて思わなかった。ごめんなさいね」と言われて、拍子抜けした、というかたもいます。もしかしたら、周囲の人は、それほど深い意味で言っているのではないかもしれません。その可能性も、少し考えてみてもいいかもしれません。産み分けと「引き寄せ」「引き寄せの法則」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。人は、自分の注目している方向に、進んでいくものです。楽しいことに気持ちを向けていると、楽しみに気づきやすくなりますし、不快なことばかり気にしていると、不快な出来事が目につくようになります。食事の準備をするとき、メニューを決めずに買いものをすることはないように、人生においても、自分が向かおうとしているゴールを設定することがたいせつです。5年後、10年後の自分のすがたを思い浮かべたとき、どんな自分でありたいでしょうか。どんな家族と、どのように暮らしていたいでしょうか。希望する状況を、なるべく具体的に思い描いていると、イメージが潜在意識にすりこまれて、未来にそんな現実を引き寄せやすくなります。もっとも、生まれる前に、いま望んでいる性とは違う性の子と「親子になろうね」と約束している場合は、思い描いたイメージが、そのまま実現するわけではありません。それでもケースバイケースで、交渉の余地がある交渉の余地があるときは、はじめの予定と違う性で生まれることを、お子さんが受け入れてくれるかもしれません。雲の上で生まれるのを待っている子どもに、電話をかけるような気持ちで、望む未来をイメージしてみましょう。執着やストレスにならない程度に、楽しんでみてください。産み分けと心のこと

 


Q女の子がほしいのですが、産み分けに踏みきることには、ためらいもあります。
A産み分けしてもいいか、赤ちゃんに聞いてみてください。女の子がいいというのは親の都合ですが、子どもには子どもの、自分がどんな人生を歩みたいかという、都合があります。生まれる前の赤ちゃんを思い浮かべて、語りかけてみましょう。赤ちゃんのおへそと自分のおへそに、透明なへその緒をパチンとつなぐイメージを浮かべて、ニュートラルな気持ちで、「女の子だといいなって思うのだけど、産み分けを試してもいい?」と、質問するのはいかがでしょうか。心を静めて、瞑想していると、イメージや言葉で、ふっと答えが返ってきます。はっきりした確信があれば、そのまま受け入れてもいいし、もし気になる点があるなら、「自分の願望が混じっているかな」と、理性的に検証してもいいでしょう。人生の選択には、客観的に正しい答えがなく、自分で決めていかなくてはならないことがあります。そんなとき、自分の心に問いかけ、いのちの流れとコミュニケーションをして、直感を磨いていくことは、とてもたいせつです。

 

Qどうしても男の子がほしい私は、変でしょうか。
Aわきあがるすべての思いは、自然なものです。素直に感じるといいでしょう。どんな思いも、自然に浮かんでくるものを、変だとか悪いとか決めつける必要はありません。願望がかなうかどうかは、また別のことですが、思いはあえて封じこめず、素直に感じてみましょう。たいせつなのは、どうしてそう感じるのか、自分に問いかけて、じっくり考えてみることです。どうしてもどちらかの性の子がほしいというときは、何か理由があるのでしょう。「母は兄ばかりかわいがり、私のことは知らんぷりでした。赤ちゃんが女の子なら、かわいがる自信がありません」というかたもいました。自分のこだわりがどこにあるのか。ほんとうはどんな生き方がしたいのか。そのこだわりをもちつづけることが、今後の生き方にプラスになるかどうか。子育てという一大事業を始める前に、心を見つめるチャンスを得たと考えて、自分のこれまでとこれからを、じっくり感じてみてください。

 


Qおなかの赤ちゃんが希望する性でない場合は、人工流産したいのですが。
A日本では法律上、認められていません。人工流産(中絶)が認められるのは、身体的・経済的理由により妊娠の継続が難しい場合か、暴行や脅迫によって妊娠した場合のみです。また、妊娠22週以降は、いかなる理由があっても、中絶できません。なお、妊娠12週から21週の赤ちゃんを手術で外に出すときは、死産届を提出し、火葬をおこないます。胎児の性別は、妊娠21週でもはっきりわかるかどうか、ぎりぎりのところです。性別を理由にした中絶は、おこなうことができません。

 

高齢出産なので、障がい児が生まれるかもしれないと思うと、妊娠そのものにためらいを感じます。
A人生にはいろいろなリスクがあります。自分の人生を生きましょう。高齢の妊娠はリスクが高いので、ためらわれるお気持ちもわかります。通常の妊婦健診でも、エコー検査で大きな奇形はわかります。また、いくつかの疾病については、出生前診断を受けることもできます。もっとも、すべての障がいがわかるわけではありません。誕生のときは健康でも、発育の途中で病気や障がいがわかることもあります。人はつい、昨日と同じ明日が続くように思いがちです。けれど、ほんとうは、私たちは明日の自分のいのちもわからないところに生きています。健康な子が生まれても、のちに大病を発症するかもしれません。事故に巻きこまれて、後遺症が残るかもしれません。将来のことは、だれにもわからないのです。お産は、そんな人生のありのままのすがたを目にする、たいせつな節目です。お産は、安全を保証されたテーマパークのアトラクションではありません。医療が整備された現代の日本でも、年間50人くらいのかたが、お産で亡くなっています。どんなお産になり、どんな赤ちゃんが生まれるか、すべてをコントロールすることはできません。人生をどう選びとっていくか、最終的には、本人の覚悟しだいです。たとえば、飛行機には、墜落のリスクがゼロではありませんが、あなたは飛行機に乗るでしょうか、それともやめるでしょうか。赤ちゃんは授かるかもしれない、授からないかもしれしれない。生まれる赤ちゃんには、障がいがあるかもしれない、ないかもしれない。航空事故が怖い人が空の旅を避けるように、障がい児が生まれることを恐れるなら、赤ちゃんを生まないという生きかたもあります。

 

Q希望の性の赤ちゃんでなかったとき、どんなふうに気持ちを切り替えればいいですか。
A立場を変えて、考えてみましょう。親は子どもを一方的に選ぶ立場と考えがちですが、発想の転換をしてみましょう。お子さんに、「希望する性格のお母さんじゃなかったけれど、どうしたら気持ちを切り替えられるかな」と言われたら、どう感じますか。「想像していた性格じゃなかったけど、お母さんが大好きだよ。いまのお母さんが、大好きだよ」と言われるほうが、うれしいのではないでしょうか。私は講演会で、こんなふうにお話しすることがあります。「女の子を希望していたかたに、男の子が生まれたとしましょう。その子が大きくなって、性別の違和を感じる感じるようになり、やがて性転換手術をして、実家に戻ってきたらどうでしょうか。想像してください」わが子が自分らしく生きることを、こころよく応援したい、と思うかもしれません。ただ、そのとき、かつてを振り返って「私は女の子がほしかった。やっと願いがかなった」と、喜ぶでしょうか。もしそうでないなら、「女の子がほしい」という気持ちは、それほど深刻なものではなかったのでは、と思います。この世に生じるあらゆることには、すべて意味があります。なぜその子があなたのもとにやって来たのか、よく考えてください。赤ちゃんを見つめ、赤ちゃんに問いかけ、インスピレーションで会話してみましょう。子どもたちに「生まれる前のこと」を聞いていると、「お母さんが子どものころから、お母さんのところに生まれたくて、待っていた」というお子さんもいます。そして、その子がすでに、自分の性を決めているケースもあります。お子さんにはお子さんの、その性として生まれる、理由があります。そのお母さんにも、その子の親となる、理由があります。もしかしたら、親が望んでいたのと違う性の子としてなぜその子があなたのもとにやって来たのか、よく考えてください。赤ちゃんを見つめ、赤ちゃんに問いかけ、インスピレーションで会話してみましょう。子どもたちに「生まれる前のこと」を聞いていると、「お母さんが子どものころから、お母さんのところに生まれたくて、待っていた」というお子さんもいます。そして、その子がすでに、自分の性を決めているケースもあります。お子さんにはお子さんの、その性として生まれる、理由があります。そのお母さんにも、その子の親となる、理由があります。もしかしたら、親が望んでいたのと違う性の子として生まれることじたいに、意味があるのかもしれません。大きないのちの流れを信頼し、お子さんを授かったことじたいを、どうか喜んでいただきたいと思います。

 

Q希望する性の子でないとき、正直なところ、私はがっかりしてしまうと思います。赤ちゃんに対してどんなフォローをしたらいいですか。A思いどおりでないからこそすばらしく、あなたにぴったりの赤ちゃんです。そう理解して、赤ちゃんと向き合っていきましょう。望んだ性の子でないとき、ちょっぴり残念に思うのは、自然な心の動きです。ただ、「どんなフォローをしたらいいか」と、赤ちゃんの気持ちを考えることは、とてもたいせつです。子宮や卵巣の病気をした女性とお話しすると、「私の親は、ほんとうは男の子を望んでいました。『あなたが生まれてがっかりした』と言われました」と語られることがあります。赤ちゃんが周りのおとなの気持ちを感じとり、それが心身の発育になんらかのストレスを及ぼすことは、じゅうぶんに考えられます。


その他
Q産み分けをすると、男女の人口比が変わってしまうのではないでしょうか。
A日本の状況では、極端に変わることは考えにくいです。出生における男女比は、人類が子孫を残す最良の比率として、自然の摂理が長期間かけてつくりあげてきたものです。男の子は女の子より体が弱く、亡くなる子が多いため、男の子105、女の子100の比率で、ほんの少し男の子が多く生まれ、後年、男女比がほぼ1対1になるように調整されています。中国のように、ひとりっ子政策をとっていて、しかも男の子が熱烈に望まれている社会では、産み分けすると男の子の比率が高まると思われます。ただし、現代の日本では、産み分けにトライする人にアンケートしても、男の子と女の子のどちらを希望するか、大きな偏りはありません。全体的に見ると、いまの日本で、産み分けが人口比に影響を及ぼすことは、まずないと考えられます。

 

Q産み分けは、生命倫理的に問題ないでしょうか。
A生殖医療にどこまで人為的に介入するかによって、倫理的な問題が生じることもあります。この本で紹介した、セックスのタイミング、体位、ゼリー、リンカル服用といった、自分でコントロールできる範囲なら、倫理的な問題はないと私は思います。ただし、受精と着床に、どこまで人為的な介入をするかによって、倫理的な問題が生じる可能性はあります。
人工授精するにしても、100パーセント人為ではなく、人の手の及ばない、自然の摂理が働く余地を残すことがたいせつだと思います。特に、遺伝子については、人間がむやみに触ってはいけない領域です。生殖医療に遺伝子レベルの操作を加えるのは、やはり大きな問題でしょう。「男の子がほしい」「女の子がいい」と思うのは、ごく自然なことです。しかし、そう願うことと、「人工授精ののち、遺伝子診断をして、望まない性の受精卵なら棄てる」ことには、決定的な違いがあります。属性によって、「要る人間」と「要らない人間」を選別することを認めるなら、究極的には、自分自身も、権力ある外部の力によって選別されることを受け入れることにつながります。たとえば、国に「女(男)は、収容所に行きなさい」と言われたとして、それを従順に受け入れることができるでしょうか。「自分がされて不快なことは、他人にも強いないこと」は、人生の原則ではないか、と私は思います。倫理的なテーマは、その人の人生観において問われるべきもので、絶対に正しい客観的な答えがあるわけ善悪の概念は、社会のマジョリティの価値観を反映して、地域によって異なり、また時代とともに変わっていきます。たとえば、中絶を「殺人」と見なす人もいれば、「女性の権利」と主張する人もいて、いまも論争は続いています。本来、生命倫理は、多数決で定めることではなく、自分の心の「神さま」に問いかけ、内省しながら、一人ひとりが深めていくことです。自問自答を繰り返しながら、自分の歩むべき道を選びとっていくことが、人生に責任をもって、生きていくいくことではないでしょうか。なかなか赤ちゃんが来ないとき産み分けをしていると、なかなか妊娠しないことがあります。特に、ご本人が生まれる前に「子どもをもたない」と決意している場合は、妊娠そのものが難しいことがあります。退行催眠という、潜在意識を読みとくセラピーでは、「過去生で、貧しいのに子だくさんで苦労したから、子どもはもう要らない」と決めたことを、思い出す人もいます。そういった場合は、セラピーなどによって潜在意識に働きかけ、思いを変えていく必要があるでしょう。子どもたちに、生まれる前の記憶を聞いていたとき、「前は、男の子だった。ママが『女の子がいい』って言ったから、雲の上に帰ったの。女の子になって、また来たよ」というお子さんがいました。お母さんに伺ったところ、その子が生まれる前、性別はわからないものの、流産した子がいたそうです。流産の理由は、子どもによって異なります。違う性の子を親が望んだために、流産になるケースばかりではありません。それでも、歓迎されていない場所では長居しにくいように、ご両親の望みとは違う性の子にとっては、おなかの居心地はあまりよくないかもしれません。「いますぐ妊娠したい」とか「男の子がほしい」というのは、おとなの都合です。でも、赤ちゃんには赤ちゃんの都合があり、この世に来るタイミングがあります。私は、「お母さんは旅館の女将さんで、赤ちゃんはお客さん」という、たとえをつかうことがあります。お客さんに早めに来てもらうには、「ぜひ泊まりにきてください。こんなにすてきな旅館です」と、ダイレクトメールを送る方法もあります。それが、「子どもを授けてください」という、祈りにあたります。さらに、お客さんを呼びこむには、畳を張り替えたり、ふとんを準備したり、おいしい料理のしたくをしなくてはなりません。それが、「母性を育てる」ということです。母性の本質は、あれこれ条件をつけることなく、ただ赤ちゃんを「かわいい」と思う気持ちです。女将さんが「お行儀がわるいかたは、宿泊をご遠慮ください」などと条件をつけていると、お客さんにとっては、かなり敷居が高いでしょう。高価なバッグをほしがるように赤ちゃんをほしがるのではなく、純粋に「かわいい」という気持ちを育み、楽しみに待っていると、赤ちゃんは宿り宿りやすくなります。母性を育むには、こんな方法があります。親戚や友人の、生後3か月くらいの赤ちゃんを、30分くらい抱っこさせてもらうのです。わが子のように思いながら、「かわいい」という実感にひたりきると、妊娠しやすくなるそうです。幸せな子授けのおまじないです。ぜひお試しください。

 


雲の上でママを見ていたときのこと小さな子どもは、胎内記憶だけでなく、お母さんのおなかに宿る前の記憶について、語ることがあります。そんな子どもたちは、生まれる前、「雲の上」「魔法の国」「空の上」などからこの世を眺めていた、といいます。子どもたちは、ふわふわした居心地のいい場所で、神さまや天使に見守られて、のんびり過ごしています。やがて生まれることを決めて、地上をよく見て、お母さんを選んでやって来るそうです。「雲の上には、小さい子どもがいっぱいいて、大きい人がお世話してくれて、小さい子たちは空の上から見て、あの家にするっておりていく。ぼくも、お母さんのいるところに決めた」(3歳、男の子)「ぼくね、光だったよ。光のお友だちがたくさんいた」(4歳、男の子)「魔法つかいに連れられてきたの。きらきらしてあったかいあったかい道を歩いて。眠くなると、魔法つかいが抱っこして、飛んでくれた。決められた道を、決められた赤ちゃんが行くんだよ。ぼく専用の道なんだ」(4歳、男の子)「長い、長い、すべり台をすべってきた。あお向けに足からすべってきた。すべり台は虹色に光っていて、熱かった。地球が見えてきたから、もうすぐお母さんのところに着くと思った。途中で分かれ道があったけど、迷わずにまっすぐ来た」(5歳、男の子)子どもたちが雲の上から楽しそうに地上を眺めて、生まれるお母さんを選んでいるところを想像すると、ほほえましく思います。人気があるのは「優しそうなお母さん」ですが、「かわいいお母さん」や、「悲しそうにしているから、励ましてあげたいお母さん」も、子どもたちの目を引くそうです。母と子は、生まれる前からきずなで結ばれています。子どもの意思を尊重して、その尊厳をたいせつにして子どもと向き合うなら、きっと実りある子育ての日々が始まることでしょう。生まれる前に性別を教える子もいる妊娠中は、直感がとぎすまされる傾向があります。ふいに名前を告げる子どもの声が聞こえて、おなかの赤ちゃんが語りかけてきたのを感じたというお母さんは、めずらしくありません。夢で赤ちゃんの姿を見たり、子どもが「ぼく」「わたし」と名乗って性別を伝えたりしたときは、イメージどおりの赤ちゃんが生まれることが多いようです。あるかたは、妊娠5か月のとき、印象的な夢を見ました。夢の中で、そのかたは、「神さまと約束しているよ。生まれるときは、男だって」という声を聞きました。そして生まれたのは、ほんとうに男の子でした。おなかに宿る前の子どものたましいから、話しかけられるかたもいます。あるかたは、犬を散歩させているとき、心の中にとつぜん男の子の名前が響いてきました。ふしぎに思っていると、そのすぐあとに妊娠しました。そして生まれたのは、やはり男の子でした。別のかたは、はじめての赤ちゃんの子育てに忙しい日々を送っていたとき、「わたし、お母さんから生まれたいの」と、知らない女の子に話しかけられる夢を見ました。そのかたは、難産を経験したばかりだったので、「高齢出産になるし、たいへんだなあ」と、ためらっていると、その女の子は、「わたし、どうしても、生まれたいの」と主張しました。そのかたが、「わかった。でも、もし来るなら、早くしてね。2か月だけ待ってあげるね」と言うと、女の子はうなずきました。そしてその翌月、ほんとうに赤ちゃんを授かり、女の子が生まれたのです。
生まれる前にお母さんに会いにくる子光の玉を見たり、夢の中で子どもと話したり、日中ふいに子どものイメージが浮かんだりしてから、赤ちゃんを授かるかたもいます。お子さんが未来のお母さんに会いにくるのは、妊娠の直前のこともありますが、それよりずっと前のこともあります。「お母さんが子どものころ、ようすを見にいった」というお子さんもいます。なかには、実際に、生まれる前の子どものたましいとコミュニケーションしたのではないか、と思わされるケースもあります。たとえば、お子さんが大きくなってから、「お母さんの夢に遊びにいったよ」と語り、そのときのお母さんのようすを言い当てることもあります。また、どうしてもこの人がお父さんであってほしいと思って、「自分がお母さんとお父さんを結婚させた」と話す子もいました。
愛の天使キューピッドは、赤ちゃんの姿で描かれることがあります。もしかしたら、「このカップルから生まれたい」と願ったたましいが、ふたりを結びつけていることを表しているのかもしれません。あるかたは、中学生のころ、ふしぎな夢を見ています。夢の中で、そのかたは自宅の2階で眠りながら、庭に男の子と女の子が立って、部屋を見上げていると感じました。男の子は10歳、女の子は6歳くらいで、身長差がありました。ふたりはいつの間にかそのかたの横に立って、おなかをぺたぺた触りはじめ、そこでそのかたは目が覚めたのです。その後、そのかたはおとなになり、結婚して息子さんと娘さんを授かりました。そして、お子さんが夢の子たちと同じくらいの年齢になったとき、ふと、夢のふたりの身長差が、息子さんと娘さんの身長差とほぼ同じであることに気づいたのです。お子さんたちは、生まれる前のことをよく覚えていて、お母さんに会いに行ったときのことを話してくれました。
息子さんはいいます。「雲の上で、妹と遊んでいたことは、覚えていない。でも、いっしょにお母さんを見にきたことは、ちょっと覚えている。お母さんは中学生くらいで、寝ていた。そのあとは、『この人がいいかなあ』って、ひとりで何回か見にきた。生まれてくる前、まだお母さんのおなかの中にいなかったとき、お母さんの後ろを飛んで見守っていたのも、覚えている。お母さんがお父さんとつきあっていたときかな。話しかけたけど、気づいてもらえなかった」娘さんは、こう語ります。「生まれるって決めているときは、羽根が生えていて、窓の外からお母さんを見ていたと思う。お母さんは、高校生か中学生くらいだった。お母さんはベッドで寝ていて、ぼくとお兄ちゃんは窓の外に浮かんで、『どうしようかなあ』って見ていた。生まれるのを待っている時間は、お兄ちゃんと遊んでいた。それで、1分か2分くらいお母さんを見ていて、『もう行こうか』って、お兄ちゃんが先に行っちゃった」ふたりは「会いに行ったとき、お母さんはこういう柄のパジャマを着ていた」と説明しました。お子さんにいわれて、そのかたは、中学生のとき確か確かにその柄のパジャマを着ていたことを思い出したそうです。このケースでは、この世に来るずっと前から、子どもたちはお母さんを決め、兄妹として生まれようとしていたことになります。
性別はなぜあるのか
ところで、お母さんの夢に現れた兄妹のエピソードについて、私がインタビューしたとき、娘さんはご自分を「ぼく」と呼んでいます。それは前の過去生で男の子だったときの記憶が、はっきりしているからだそうです。娘さんは私に、そのときの人生で、信号無視の車にひかれて亡くなったときのことを、詳しく話してくれました。
このように、いまの体の性と、過去生の性が違うことは、よくあります。私の知人は、女性でありながら、「輪廻転生では、ずっと男として生きてきた。今回はたまたま女に生まれたけれど、男のときの習慣が抜けない」といい、ご自分を「わし」と呼ぶときがあります。また別のケースで、生まれる前のことをとても詳しく覚えているお子さんがいます。その子は、前の人生で亡くなったあと、いまの自分として生まれるまでのあいだ、雲の上で仲良しになった女の子がいたそうです。
「同じところに生まれよう」と約束したので、その子は妹の誕生を心待ちにしていました。ところが、生まれたのは弟でした。はじめ、その子は「どうして男の子なのかな」と、ふしぎに思ったそうです。そして気づいたのは、弟さんはひとつ前の過去生で女の子だった、ということでした。けれど、新しい人生では条件を変えて、男の子として生きることにしたようです。このような話を聞くと、体の性別とは関係なく、人の心には、男性性と女性性のふたつが備わっているのだろう、と考えさせられます。ではなぜ、体には性別があるのでしょうか。有性生殖は、男性と女性の遺伝子を半分ずつ、子に受け継がせることができます。これは、強い遺伝子の組み合わせをつくりだすのに有利です。もちろん、弱い遺伝子を継がせてしまうこともありますが、男性からも女性からも弱い遺伝子を継いだ子は、成長せずに淘汰されます。人類は、ふたつの性をもつことによって、多様な遺伝子の組み合わせを生みだし、環境の変化に適応しつつ、進化してきたのです。このことは、人類だけでなく、生物全般にあてはまりによって、まさに多様なあり方をしています。たとえば、性の発育が非定型だったり、性分化があいまいだったり、自ら感じる性別が時期によって入れ替わるかた、体の性と心の性がずれているかたもいます。性染色体の組み合わせは、XY(男性)、XX(女性)のどちらかがほとんどですが、XXY、XXX、XOなどの組み合わせをもつかたもいます。このゆらぎは、人類が有性生殖をしているかぎり、確率は低くても、必ず発生しうるものです。性染色体がマイナーなパターンは、不妊の原因を調べたときに、判明することもあります。しかし、本人も気づかないまま子どもを授かり、ふつうの男性(女性)と変わりなく暮らしているかたもいます。日本生命倫理学会初代会長の星野一正先生(京都大名誉教授)は、性分化疾患の赤ちゃんを診察してきたご経験から、「ヒトを男女に二分して性別を正確に決定する基準を設定しようとすること自体が不可能に近い」と指摘しています。さらに、身体的な性別だけでなく、社会的な意味での男女のイメージも、時代とともに変化し、ゆらぎつづけています。たとえば、狩猟社会のように、自然界でいのちの危険にさらされているときは、男性は筋肉隆々として部族を守り、女性は多産といったように、性差がはっきりしているほうが、種の保存に有利になります。ただし、現代日本のように、腕力によらなくても生計を立てることができ、核家族で子育てをしなくてはならない社会では、女性のような心遣いのできる男性のほうが、子育てにはプラスになるでしょう。
多様性を生きる
二元性によって対立が生じ、さらに、そのどちらにも属さないものが見いだされて、さらなる多様性が生まれる。そのしくみは、「宇宙に、いのちはなぜ生まれたか」というテーマとかかわっているように思います。おそらく、原初の宇宙とは、明も暗もなく、上も下もない、すべてがひとつに融合した世界だったのではないでしょうか。すべてがひとつという世界は、対立も争いもなく、平穏かもしれません。ただ、おそらく、とても退屈だったのです。あるとき宇宙は、自分自身を知りたい、と願ったのでしょう。そして、自分自身を経験するために、対立する要素、つまり二元性をつくりだしたのだと思います。「人間は、宇宙のプローブ(測定器の探針)のようなものだ」という説を、聞いたことがあります。一人ひとりの人生体験は、宇宙にそっくりフィードバックされて、宇宙の知恵を豊かにします。宇宙にたくさんの情報を届けるためには、人の個性も経験も、さまざまなバリエーションがあることが望ましいのでしょでしょう。原初の宇宙は、すべてがひとつの平穏な世界だからこそ、二元性や対立から宇宙は学びたいのかもしれません。クリニックで診療していると、お母さんたちから、「夫が私のことをわかってくれない」という嘆きを伺うことがよくあります。お話を聞いていると、男女の感覚や思考パターンの差にも、すれ違いの原因があるように感じます。前述したように、男性と女性は、脳の構造が違います。女性は、左脳と右脳をつなぐ脳梁が太く、男性は脳梁が細いのです。左脳は言語や推理をつかさどり、右脳はイメージや直感をつかさどります。そのため、男性は、限定された状況において理詰めで考えることが得意ですが、女性はものごとを全体的にとらえ、感情表現が豊かだという傾向があります。さらに、性差を超えた個人差も、かなり大きいものです。それを考慮すると、夫婦は言葉で会話できるために、お互いをわかったつもりになりながらも、感覚的なところは、じつはきちんと伝わらないことのほうが多いのではないでしょうか。興味深いことに、第三者から見ると、夫婦はまったくまったく正反対の性格をしていることが多いものです。本人としては、自分から見える世界こそ「正しい」ので、「どうしてわかってくれないのだろう」「なぜあんなふうにふるまうのだろう」という不満や苛立ちになるのですが、その「ずれ」こそ、多様性を体験させてくれるのだと思います。一人ひとりに見える世界は、ごく限られた範囲でしかありません。けれど、自分と相手の感じ方、考え方が違うからこそ伝え合い、お互いに理解しようと努力することによって、私たちは視野を広げていくことができるのです。わが子はあなたにとって最高の子どもそんな夫婦のもとに、あるとき赤ちゃんがやって来ます。赤ちゃんはまた、親と別の感覚と発想を宿していて、子育ては思いどおりにいかないことの連続になります。けれど、母親、父親、子どもが、それぞれぜんぜん違う世界を見ることによって、家族全体としては、視野を広げることになります。人生は、そもそも、計算どおりにはいかないものです。いのちは、人知を超えた何かによって、育まれています。ご紹介したいのが、iPS細胞について、研究者から伺ったエピソードです。iPS細胞は、多くの細胞に分化する分化万能性があるとされています。ところが、肝臓を再生しようとして、培養液の中で肝細胞をつくっても生体に移植できるようには、血管がうまく再生されず、移植はできません。ところが、すでにある肝臓の表面に肝細胞の芽をつけると、ひとりでに増殖して、血管系も再生されていくのです。つまり、人間がすべてをコントロールして臓器をつくることはできないけれど、細胞の芽を、すでに人間の中にある臓器に移植して、自然の力に任せるとうまくいく、というわけです。自然は、人知の及ばないほど、精緻にできています。細胞たちの中には知恵が宿っていて、お互いに情報を交換し、コミュニケーションをとりながら、体をつくろうとしているのです。同じことは、人間社会にも当てはまるのではないでしょうか。社会には、さまざまな人がいて、ネットワークをつくっています。いろいろな仕事があり、まちまちの価値観があり、コミュニティをかたちづくっています。多種多様な人たちが混じりあっていることで、社会全体が有機的に機能しているのでしょう。小さな社会である家庭も、それは同じです。お父さん、お母さん、子ども、それぞれの感覚や発想を、お互いに尊重し、違いを楽しむところから、コミュニケーションは始まります。どちらかの性の子がほしいという願いは、自然な思い思いですが、生まれようとする子にも意志があり、それを尊重することは、とてもたいせつです。しかも、子どもが生まれるのは、本人が望むからだけではありません。神さまに「生まれていいよ」と言われ、お母さんが心の奥深くで「来ていいよ」と認めたときに、赤ちゃんはおなかに宿るのではないかと、私は感じています。子どもたちは、よく、「雲の上には、生まれる順番を待っている子が、いっぱいいるよ」と、教えてくれます。この世の人生には、しばしばたいへんなこともありますが、生まれる前のたましいにとっては、楽しい冒険に見えるのかもしれません。私は、こんなふうに想像することがあります。子どもみんなが生まれることはできないので、グループのひとりが、「代表として、行ってくるね」と、この世に降りてくるのではないか、と。そして、その子がこの世で体験したすべてのことが、雲の上で見守っている子どもたちの、たましいの糧になるのではないか、と。受精のときは、無数の精子のうちのたったひとつが、卵子と結合し、新しいいのちとして育まれます。同じように、雲の上の世界でも、たくさんのたましいのうちのたったひとつが、代表選手として、この世にやって来るのではないでしょうか。お母さんは、目の前の子どもだけを見て、わが子と思っているかもしれません。けれど、その後ろには、生まれたかったたくさんの応援団が、わくわくしながら、新しい人生の冒険を見つめているのです。その意味で、すべてのお子さんが、選ばれた子、恵まれた子であり、幸運の子です。かけがえのない宝物を、どうぞたいせつにお育てください。
あなたはわが子にとって最高のお母さん
待望の赤ちゃんを授かっても、穏やかな喜びにひたる時間はつかのまで、子育てが始まると、大忙しの日々が続きます。赤ちゃんを健診に連れてくるお母さんの中には、疲れきって笑顔をなくしているかたもいます。そんなとき、私は「1日1回でいいから、楽しいことことを見つけて、笑ってくださいね」と、お話ししています。いまたいへんなことも、時間がたつと、いずれ思い出に変わります。やんちゃなわが子に手を焼いていたお母さんも、子どもが巣立つときは、「小さいころはとてもかわいかった。毎日駆けずりまわっていたけど、充実した日々でした」と、なつかしむものです。まじめなかたほど、「よいお母さんにならなくては」と思いつめ、ほほえむゆとりをなくしてしまいがちです。「子どもには、ああすればよかった。ああしなければよかっよかった」「母親が私でなかったら、子どもはもっと幸せだったかもしれない」と、後悔して落ちこむかたもいます。ただ、子ども本人は、「いまのこのお母さんがいい」と思っているはずです。というのも、生まれる前の記憶を調査していると、「お母さんに笑ってほしくて、生まれてきた」「お母さんの役に立ちたくて、生まれてきた」というお子さんが、たくさんいるのです。子どもは、お母さんに幸せを運びたくて、雲の上からやって来ます。その幸せとは、たんに平穏な暮らしという意味ではありません。さまざまな葛藤も、その体験を通して成長するための、プレゼントです。子どもが生まれ、実際に子育てが始まると、理想と現実のギャップを感じ、至らない母親なのではないかと悩むお母さんがたはほんとうに多いのです。でも、いわゆる完璧なお母さんなら、子どもがわざわざ雲の上からやって来る必然性はありません。子どもは、ともに学び、気づきを深め、人生を味わうために、ぴったりのお母さんを選んで、生まれてくるのです。人生のごたごたをいっしょに体験して、たましいの成長をとげたいという子どもの望みをかなえてくれるお母さんは、すばらしいお母さんです。「完璧なお母さん」が、いいお母さんなのではありません。ときに悩み、迷い、とほうにくれる、そんなあなたが、最高のお母さんなのです。完璧なお母さんだったら、子どもは来る必要がありません。学べないお母さんだったら、子どもは来る必要はありません。いまのそのままのあなたが、いちばんいいお母さんなのだと思います。
人生のシーンは、つねに変わりつづけます。子育ては、その最たるものです。おむつを替えていたと思ったら、歩きはじめる。おっぱいをあげていたと思ったら、ごはんを食べるようになる。はいはいしていた子が、立ちあがり、走りはじめます。季節がめぐるたび、人生には、新しい大きな波がうち寄せるでしょう。人生には、次々と課題がふりかかり、それを乗りこえるようになっているのです。次は、どんな波がやって来るでしょうか。楽しみに待ち、サーファーのように乗りこなしましょう。大きな波ほど、それに乗ったとき、きっと爽快爽快に感じられるはずです。出来事には、すべて意味があります。そのときは、いやな体験と思っても、あとになれば必ず、いい体験だったとわかります。他人からの評価は必要ありませんし、他人を評価する必要もありません。もちろん、周りの目が気になる自分がいたら、それはそれでいい。ありのままの自分で、心に偽りなく生きていいのです。もし、あなたが、「赤ちゃんに来てもらいたい」と、人生の大きな決断をしようとしているなら、いまこの瞬間を、どうぞ楽しんでください。どんな子育てをしたいかを思い描き、赤ちゃんがやって来るのをわくわくしながら待ち、そして生まれても生まれなくても、どちらの性の子が生まれても、いずれにせよ、あなたの人生は、祝福されています。ありのままのあなたが、ありのままのお子さんと出会い、すばらしい人生を歩まれることを、願っています。